水に流せぬ公務員のお粗末 栓なきプール1週間給水

今回の大阪市立小学校の場合、損害はどれほどになるのか。プールは小学校で一般的に使用されている大きさで、縦25メートル、横12・5メートル、深さは0・9~1・2メートル。プールを満水にするのに必要な水量は、少なく見積もっても281立方メートルとなる。半日で満水になるとすれば1週間で14杯分、計3934立方メートルになる計算だ。

市教委は水量や水道料金を計算中としているが、市の水道代は千立方メートルを超えると1立方メートル当たり358円になるといい、単純に掛け合わせると損害額は約140万円にも上る。市教委の担当者は「税金の無駄遣いであり、申し訳ないが市で負担することになるのではないか」と説明する。

コスト明示で再発防止を

人的ミス(ヒューマンエラー)に詳しい千葉大の一川誠教授(心理学)は「人間は現状がうまくいっていると認識したいものだ。問題が起きていることに気づくきっかけがなければ、大抵のことはそのまま通り過ぎていく」と指摘する。

厚生労働省が示す人的ミスの分類によると、市立小学校のミスは「ついつい・うっかり型」のうち、方法や手順を間違える「行動エラー」に該当するようだ。

一川教授は、プールの給水ミスは水使用量の急変を自動で知らせるシステムなどがあれば、短時間で気付くことができた可能性があるとする。また、同じミスを繰り返さないためには、無駄になった水道料金のような「失敗のコスト」を明示することも有効な手法だという。

「人間は失敗するものと捉え、その失敗から教訓を学んでいくしかない」と一川教授。一市民の立場からすれば、公務員のお粗末なミスを何度も水に流すわけにはいかない。再発防止を肝に銘じ、気持ちもバルブもしっかり締め直してほしいところだ。(小泉一敏)