参院静岡選挙区補選、三つどもえの様相

自民党衆院議員の城内実氏とグータッチの若林洋平氏=16日、浜松市北区
自民党衆院議員の城内実氏とグータッチの若林洋平氏=16日、浜松市北区

参院静岡選挙区補欠選挙は、10月7日の告示(24日投開票)まで2週間余りに迫る。これまでに出馬を表明しているのは、いずれも新人で、元御殿場市長で自民党公認の若林洋平氏(49)、元県議で無所属の山崎真之輔氏(40)=立憲民主、国民民主推薦、共産党公認で県常任委員の鈴木千佳氏(50)。三つどもえの激戦が予想される。11月とみられる次期衆院選を前に、与野党ともに党勢を左右する前哨戦と位置づける「秋の陣」に向け、衆院選候補予定者との共闘戦略による相乗効果で支持拡大を図っている。

新総裁の「初陣」

自民党総裁選告示前日の16日、浜松市北区で同党衆院議員、城内実氏(静岡7区)の後援会事務所開きが行われた。補選の県西部地区の選挙事務所も兼ねている。補選は新総裁の「初陣」となるが、自民党への風向きがどう変わるか見通せない。それでも、事務所開きに出席した若林氏はこう力を込めた。「逆風こそ若林、どんな風でも若林。最後までやり抜く」

その直後、「気合が入っていて良かった」と若林氏に声をかけた城内氏は補選の情勢について、記者団に「出遅れていたが、若林さんを国政に押し上げようという機運が高まっている」と手応えを口にした。ただ若林氏にとって、大票田の浜松市を含む県西部は無名の新人。陣営幹部は「演説は迫力があるものの、『若林さん? 誰それ』という声が多い」といい、露出度を強める考えだ。

 立憲民主党新人の小野範和氏(左)と街頭に立つ山崎真之輔氏=19日、三島市
立憲民主党新人の小野範和氏(左)と街頭に立つ山崎真之輔氏=19日、三島市

川勝知事の集票力期待

19日、JR三島駅前で衆院静岡5区の立民候補予定者と街頭に並んだ山崎氏は「新しい政治をつくりたい」「緊張感のある政治をつくらなければいけない」などと訴えた。先の知事選を踏まえ、全面支援を約束する川勝平太知事の集票力にも期待が高まる。

気掛かりなのが自民党総裁選後の風向きだ。新総裁誕生で自民党への逆風が一変する可能性もある中、「この9年間、新型コロナウイルス対策をみても政権は機能してこなかった。その根本原因を解決しない限り、誰が顔になっても同じことの繰り返しだ」と牽制(けんせい)した。

連日、推薦を受ける立民、国民両党の衆院選候補予定者とともに各地を奔走。連合静岡によるオンライン集会をこなすなどし、地盤の浜松市など県西部以外での知名度アップと新たな支持層の開拓を急ぐ。

 次期衆院選候補予定者らと並ぶ鈴木千佳氏(左端)=18日、浜松市中区
次期衆院選候補予定者らと並ぶ鈴木千佳氏(左端)=18日、浜松市中区

野党一本化に消極

18日、浜松市中区。共産党は台風14号の影響で演説会を屋内に変更し、オンラインに切り替えた。鈴木氏や衆院選候補予定者が集結し、画面越しに支持者にアピールした。鈴木氏は「命を守る政治が問われているのに(野党の)臨時国会召集要求を拒否し、総裁選という自分たちの顔選びに熱中する自民党に政権を担う資格はない」と批判を強めた。

ただ、鈴木氏の出馬で野党系候補は2人となり、自民党への批判票が分散しかねない。自民党を利するだけとの声もあるが、演説会に駆け付けた山下芳生党副委員長は野党候補の一本化について消極的な考えをにじませた。「浜岡原発再稼働ストップ、リニア中央新幹線の建設ストップという命にかかわる旗印を明確に掲げる候補者を擁立するのは県民への責任だ」と記者団に語った。