中国福建省でデルタ株拡大 秋の旅行シーズンに当局は流行警戒

【北京=三塚聖平】中国南東部の福建省で、感染力が強い新型コロナウイルスのインド由来の変異株(デルタ株)の感染拡大が続いている。今月10日から計300人超の市中感染者を確認し、省内各地では移動制限を実施。中国では19日に中秋節の3連休が始まるなど秋の観光シーズンを迎えており、当局はさらなる感染拡大を警戒している。

国家衛生健康委員会は19日、中国本土で18日に確認された新型コロナの新たな市中感染者は43人だったと発表した。全てが福建省だ。同省では10日以降、無症状の3人を含む計338人の市中感染者が確認された。

流行しているのはデルタ株で、シンガポールから帰国して同省莆田(ほでん)市に戻った男性が感染源と報じられている。男性は21日間の隔離と9回の検査を終えていたが、帰国後38日目になって感染が判明。男性の子供が通う小学校と、妻が通う工場で集団感染が起きた。

感染は省内のアモイ市や泉州市にも拡大。アモイ市は18日、全市民を対象に不要不急の外出を制限する措置に踏み切っている。

中秋節に続き、10月1日から7日間の国慶節の大型連休も控える。国内移動の活発化で感染拡大リスクが高まるため、当局は不必要な外出自粛や、ワクチン接種などを求めている。

中国は、強権的な手法で感染拡大を徹底的に押さえ込む「ゼロコロナ」政策を続ける。7月下旬から8月には江蘇省南京市を中心にデルタ株が流行した際にも移動制限をとった。