米英豪3カ国の安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」創設で、オーストラリアに潜水艦共同開発計画を協議なく破棄されたフランスが米豪から大使召還を決めたことを巡り、フランスのルドリアン外相は18日「(米豪の)振る舞いは、同盟内ではあり得ない。重大な危機だ」と警告した。国営テレビの番組で語った。
ルドリアン氏は米欧の軍事同盟、北大西洋条約機構(NATO)が取り組んでいる指針「戦略概念」の改定に今回の問題が影響するとも明言した。フランスのNATO脱退の可能性は否定した。
米国からの大使召還は「仏米関係史上初めてで、重い政治的行為だ」と説明。事前にフランスと協議したとする米国の説明は事実でないとし、対応に「二枚舌、うそ、軽視がある」と訴えた。この件で仏米首脳はこれまで直接協議していないという。
英国から大使を召還しないことに関しては「英国の永続的なご都合主義は知っている。大使を呼んで協議する必要はない。この話で英国は無用の長物だ」と切り捨てた。(共同)