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岸和田だんじり祭、2年ぶり曳行 感染懸念、自粛の町も

2年ぶりに曳行が行われた岸和田だんじり祭。威勢の良い掛け声が街に響いた=18日午前6時7分、大阪府岸和田市(彦野公太朗撮影)
2年ぶりに曳行が行われた岸和田だんじり祭。威勢の良い掛け声が街に響いた=18日午前6時7分、大阪府岸和田市(彦野公太朗撮影)

大阪府岸和田市の「岸和田だんじり祭」が18日、始まった。新型コロナウイルスの影響で昨年自粛しただんじりの曳(ひ)き回し「曳行(えいこう)」が2年ぶりに行われ、街に掛け声やお囃子(はやし)の音色が響いた。一方で、地域によっては感染拡大防止のために曳行を完全自粛する判断をしている。運営団体や市は祭りについて、観客を外部から呼び込まない「無観客」での開催とし、見物を控えるよう呼びかけている。

台風14号の影響による雨が降る中、18日早朝の暗いうちに各町のだんじりが次々と小屋を出発、約1時間半かけて市内を曳行した。街には「ソーリャ、ソーリャ」の掛け声と、笛や太鼓などの鳴り物の音がとどろいた。

一方、だんじりが勢いをつけて交差点を回る「やりまわし」が行われる駅前などには観覧できないよう、紅白幕が張られるなどした。市はフェイスブックなどの会員制交流サイト(SNS)などで「観覧自粛」を呼びかけており、午前中は沿道の人の数も例年に比べ減っていた。

2年ぶりの曳行に同市本町の青年団団長、薮亮司(やぶりょうじ)さん(26)は「去年は悔しい思いをして、今年は絶対に曳きたかった。練習は数回だけ、寄り合いも最小限にするなど、感染防止に気をつかった。盛り上がって、楽しく曳けることに感謝しかない」と話した。

岸和田だんじり祭は市内中心部の22町が参加し、各町がだんじりを曳行する行事。約300年前の江戸時代に五穀豊穣(ごこくほうじょう)を祈って始まったとされる。新型コロナの感染拡大を受け、昨年は終戦直後の昭和20年以来、75年ぶりに曳行を自粛した。今年は、運営団体が「2年連続で自粛すれば伝統を継承できない」との危機感から曳行を目指してきた。

運営団体は、例年祭りのハイライトとなっている、南海岸和田駅前にだんじりが勢ぞろいする「パレード」を取りやめ、だんじりが密集しないようにルートも変更。参加者にも運動中以外のマスク着用を徹底し、飲酒や水の回し飲みを禁止した上で、綱を伸ばして曳き手同士の間隔を空けるなどの感染対策を打ち出してきた。

それでも、市内では、子供の感染が拡大した新型コロナ感染「第5波」の影響を不安視する声が高まり、参加を辞退する住民が続出。各町は祭り直前まで参加の可否についての判断を迫られ、22町のうち5町が曳行を自粛することを決めた。祭りは19日も開かれる。

市外から見物に訪れたという会社員の40代女性は「だんじりの一生懸命なところが好き。本当はよくないのでしょうが、様子を見に来た。マスクをしていない曳き手の人たちは大丈夫でしょうか」と話した。