気温2・7度上昇、パリ協定の目標達成には「努力を倍加」 国連報告書

米ニューヨークの国連本部(ロイター)
米ニューヨークの国連本部(ロイター)

【ニューヨーク=平田雄介】国連の気候変動枠組み条約事務局は17日、各国が7月末までに提出した温室効果ガスの削減目標を分析した報告書を公表し、現状の削減ペースでは産業革命前と比べた今世紀末の世界の気温上昇は2・7度に達すると指摘した。

気温上昇を2度未満、できれば1・5度以内に抑えるとしたパリ協定の目標達成は困難な状況で、報告書は「努力を倍加させなければならない」と指摘した。

報告書は、パリ協定の目標達成に向けた進捗を評価するため、適宜更新されている。今回は7月末までに新たに提出か更新された86件を含め、191の国と地域の削減目標をまとめて分析。現状の削減ペースでは2030年の温室効果ガスの排出量は10年と比べて16%増となると指摘した。

気温上昇を2度未満に抑えるには、温室効果ガスの典型例である二酸化炭素の排出量を30年の時点で10年比で25%減らし、1・5度以内に抑えるには同45%の削減が必要とされる。

報告書の公表を受け、国連のグテレス事務総長は声明を発表。10~11月に開催される国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)より前に「各国はより野心的な削減目標を提出するべきだ」と訴えた。世界全体の排出量の80%を占める「20カ国・地域(G20)の決意」が重要だとの認識を示した。

英国で開催されるCOP26を成功させるため、グテレス氏とジョンソン英首相は20日、国連総会を開催中のニューヨークで首脳会合を開く。先進国がより多く削減すべきとの不満が途上国にある中、グテレス氏は先進国に途上国支援を求めるほか、一部新興国の一層の削減努力を促す考えだ。