11年目の意外な実力とは 新型ニッサン・エルグランド・オーテック試乗記

エルグランド、やるじゃん!

では、エルグランドは、アル・ベルと比べてそれほどダメなクルマなのか? この辺を検証すべく、今回は昨年10月に実施されたマイナーチェンジの際に追加されたエルグランド・オーテック(2.5リッター、RWD仕様)に試乗してみた。

日産自動車の本社がある横浜・みなとみらい地区を走り始めてまず気づいたのは、サスペンションの動き出しが意外にもスムーズだった点。

これはメカニズムにコストをかけないとなかなかできないこと。なぜなら、安く作った足まわりは可動部分で多くの摩擦(フリクション)が発生し、少しの力でタイヤとホイールをスムーズに上下させるのが難しいからだ。通常、設計年次の古さはこういうところにあらわれるのだけれど、エルグランドにそれがあまり認められなかったことに、まずは軽く驚いた。

おかげでエルグランドは乗り心地がスッキリとしているように感じる。日本車のなかには、サスペンションをきれいに動かすことよりも、サスペンションの途中に仕込んだゴム系のパーツで振動を吸収する例が少なくないけれど、その意味でいえばエルグランドは例外的。むしろ、私の記憶のなかに残っているアルファードのほうが、乗り心地全体に占めるゴム質の比率は高かったように思う。

たしかに、路面からの細かな振動をきれいに遮断するという意味ではアルファードのほうが上手で快適だ。いっぽうのエルグランドは路面からのザラツキ感は多少残っているけれど、“すっきり感”の点でアルファードを凌いでいる。だから、極論すれば好みの問題といえないこともない。そして私は「エルグランドも、なかなかやるじゃないか!」と、素直にそう思った。