自民党総裁選(29日投開票)に立候補した4候補が18日、日本記者クラブ主催の公開討論会に臨んだ。各候補は皇位継承や日韓関係などについて持論を展開したほか、台湾問題で論戦を交わした。菅義偉(すが・よしひで)内閣の新型コロナウイルス対策をめぐっては、内閣の一員である河野太郎ワクチン担当相が反省を口にした一方、岸田文雄前政調会長は厳しい評価を下した。
菅政権のコロナ対策について、河野氏は「丁寧に説明をするところが残念ながら欠けていた」と反省を口にした。岸田氏は「最悪の事態を想定して当たらなければ国民から後手に回っているように見えてしまう」と批判した。
河野氏は皇位継承について、旧宮家の男系男子の養子縁組も選択肢とした政府の有識者会議の議論を尊重する考えを改めて示した。同時に「広く共感を得なければいけないので、世の中にしっかりと説明をしていくのが大事だと思っている」と語った。
岸田氏は日韓関係の悪化について、外相時代の日韓合意で慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認したことに触れつつ、「これすら守らなければ何を約束しても未来が開けない。ボールは韓国にある」と強調した。
高市早苗前総務相は中国の脅威をめぐり、「常に最悪の事態を考えてリスクを最小化するのが私の政治姿勢だ。実効的な抑止と対処に必要な能力をわが国が保有し、日米同盟で補完する方法が考えられる」と述べた。
野田聖子幹事長代行は党改革について「将来的には派閥を解消していくことで、もっと改革が進むのではないか」と指摘。「純粋な気持ちで自分の政策を貫こうとしているのに、必ずどこの派閥が誰を応援しているかが先に話題になってしまう」とも述べた。