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人物を点描で描いた弥生時代の土製品を全国で初発見

東奈良遺跡から出土した土製品。点描で人物が描かれている=大阪府茨木市(柿平博文撮影)
東奈良遺跡から出土した土製品。点描で人物が描かれている=大阪府茨木市(柿平博文撮影)

大阪府茨木市は17日、市内の弥生時代の遺跡、東奈良遺跡から、両手を広げた女性シャーマン(呪術(じゅじゅつ)師)を点描(てんびょう)した土製品が見つかったと発表した。市によると、点描で人物を表現した弥生時代の絵画は全国で初めて。当時の精神世界を伝える貴重な資料という。

土製品は厚さ1・7センチ、直径8・3センチの円板の一部で、表面にハリ状の工具で開けたとみられる直径約1ミリ、深さ約4ミリの穴が整然と並んでいた。人物の頭の上部は欠けているが、腕を折り曲げ、両手を挙げる姿を確認。脚部の間には女性器が表現されていた。

東奈良遺跡は、銅鐸鋳型など鋳造に関連する遺物が大量に見つかっている弥生時代の集落跡。平成14年の発掘調査による出土品を整理したところ、土製品が見つかった。

調査した茨木市は呪術的な所作で豊穣(ほうじょう)と悪霊退散を願う女性シャーマン描いているとし、その表現方法などから紀元前1世紀ごろに製作されたとみている。女性シャーマンを描いた弥生絵画は、唐古(からこ)・鍵遺跡や清水(しみず)風(かぜ)遺跡(いずれも奈良県田原本町)で見つかっているが、いずれも線画という。同志社大の辰巳和弘元教授(古代学)は「独創性あふれるユニークな表現で、他の遺跡では類例がない。お守りとして祭壇に飾っていた可能性があり、弥生時代の精神世界を知る貴重な資料」と話している。

土製品は、茨木市立文化財資料館で25日から開催される「東奈良遺跡発見50周年記念-弥生集落と銅鐸生産-」で展示される。