トルドー首相率いる少数与党が苦戦 カナダ総選挙

カナダのトルドー首相(AP)
カナダのトルドー首相(AP)

【ニューヨーク=平田雄介】20日投開票のカナダ総選挙で、トルドー首相率いる少数与党・自由党が苦戦している。新型コロナウイルス対策と積極的な財政出動への支持を背景に議会下院の解散に踏み切ったが、デルタ株による感染の再拡大やアフガニスタン退避作戦に関する批判票が野党・保守党に流れたようだ。

カナダ放送協会(CBC)の世論調査によると、16日時点の各政党の支持率は自由党が31・7%、保守党が31・2%で拮抗(きっこう)している。トルドー氏が解散を宣言した8月15日の時点では自由党が35・6%と保守党の28・8%に7ポイント近く差をつけていた。

この日、アフガンではイスラム原理主義勢力タリバンが政権を掌握。カナダ軍は退避作戦で約3700人を救出したが、一部のカナダ人や通訳らアフガン人協力者が取り残されたままだ。調査会社イプソスによると、退避作戦の結果、カナダ人の3人に1人が自由党に投票する可能性が低くなったと答えている。

軍歴がある保守党のオトゥール党首は「アフガン政策について十分な説明をしていない」とトルドー氏を批判。外交では対中国で日米との連携強化を訴え、中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)脱退を掲げる。外交筋は「政権交代が起きればトルドー氏の『様子見外交』から転換する」と注目する。

トルドー氏にとって12歳以上のワクチン接種完了率が77%(4日時点)のカナダで感染が再拡大したのも逆風となった。オトゥール氏は「パンデミック(世界的大流行)のさなかの不必要な選挙だ」と批判する。

トルドー氏は3年間で1000億カナダドル(約8兆7000億円)に上る景気刺激策のほか、ワクチン接種の義務化に意欲を示しており、「国民の声を聴く必要がある」としている。