中露、タリバンに懸念と配慮 上海協力機構サミット開催

【モスクワ=小野田雄一】中国とロシアが主導する上海協力機構(SCO)は17日、タジキスタンの首都ドゥシャンベで首脳会議(サミット)を開き、アフガニスタンの実権を掌握したイスラム原理主義勢力タリバンへの対応について協議し、「アフガンには各宗教や民族を代表した包括的政府の樹立が必要だ」とする共同宣言を採択した。

サミットでは、オブザーバー国のイランを正式加盟国に昇格させる手続きを開始することでも合意した。

オンライン形式で出席したプーチン露大統領は「タリバンの暫定政府は包括的とは呼べない」と演説し、民族融和を重視せず強権統治を進めようとするタリバンに懸念を表明した。

一方で「タリバンとの対話は必要だ」とし、資金不足からタリバンが麻薬取引を行わないよう、米国などが実施したアフガンの資金凍結は段階的に解除されるべきだとの認識も示した。

同じくオンライン形式で出席した中国の習近平国家主席は「国際社会はアフガンの復興を支援しなければならない」と強調、中国はアフガンに人道的支援を行っていくと表明した。

中露はアフガンのイスラム過激派が両国内の反体制勢力などと結託して治安を悪化させる事態を警戒。タリバンに配慮を示し、関係の悪化を避けようとする両国の思惑が改めて鮮明となった。

サミットには8月の大統領就任後、初の外遊となるイランのライシ大統領も参加した。対米強硬派のライシ師は、中露との関係を強化することで、イラン核合意を離脱し制裁を再開した米国を牽制(けんせい)する思惑だ。

サミットでは、エジプト、カタール、サウジアラビアを対話パートナー国に認定する手続きを始めることでも合意された。