数字から見えるちば

キャッシュレス経験95% 事業者の付加価値実感が鍵に

キャッシュレス決済の歴史は長く、1950年代のクレジットカードの誕生から既に約70年が経過している。日本ではその後、平成13年に初の電子マネーとしてEdy(現・楽天Edy)が誕生。また、同年にリリースされたSuicaは、16年から電子マネー機能が付加され、その後の電子マネーの普及につながった。28年には国内初のコード決済である「OrigamiPay」が登場。現在はクレジットカード、電子マネーに加え数多くの「○○ペイ」が林立する状態となっている。

コード決済は、利用額が急拡大しており、令和元年には約1・1兆円と前年(1650億円)比約7倍となったが、2年にはさらに4倍近い約4・2兆円となった(一般社団法人キャッシュレス決済推進協議会・コード決済利用動向調査)。

千葉経済センターが昨年9月に県民向けに行ったアンケート結果をみると、キャッシュレス決済の利用経験者は、高齢者を含めて全体の約95%に達している。中でも、利用を増やしている人がその理由として挙げているのは、消費税増税対策として元年10月から9カ月間実施された国のキャッシュレス・消費者還元事業(回答者の45・9%)や、新型コロナウイルスの感染拡大(同30・4%)だ。また、利用する店が「キャッシュレス決済に対応しているか」を買い物の判断基準にする人は約5割(「よくある(16・2%)」+「たまにある(31・0%)」)に上り、キャッシュレス決済の販促ツールとしての重要性も垣間見える。

今後もキャッシュレス決済の利用は増加が続くと見込まれるが、事業者(主に小売り・サービス業等)の「決済手数料」の負担感は依然として根強い。決済手数料の引き下げにも期待したいところであるが、現金取り扱いに係るコストや盗難・紛失リスク、顧客の利便性拡大などのメリットのほか、ウィズコロナの継続も踏まえた非接触決済による感染リスク軽減といった付加価値を事業者が実感できるかという点が、今後のキャッシュレス決済のいっそうの普及の鍵となるだろう。(ちばぎん総研主任研究員 五木田広輝)