静岡の自民議員も積極発進、総裁選告示へ

17日告示され自民党の新しい「選挙の顔」を選ぶことになる同党総裁選(29日投開票)は次期衆院選も目前に迫っているだけに、静岡県内でも衆院8選挙区選出(比例含む)の同党議員が、会員制交流サイト(SNS)を駆使するなど党員・党友の支持獲得への動きを強めている。これに対して野党側は、自民側に注目が集まったまま衆院選になだれ込む流れを警戒してか「新型コロナウイルス対策が優先されていない」などと批判している。

「日本初の女性首相をしっかりと誕生させられるよう頑張りたい。党員・党友の方には、よろしくお願いします」。高市早苗前総務相を支持し、陣営の選対事務総長を務める城内実氏(静岡7区、無派閥)は16日、浜松市北区の街頭演説で力を込めた。支持の理由については記者団に「国家観、歴史観が近いだけでなく、政策面でも『格差社会の解消』などで共鳴できる。タカ派的なイメージで誤解されているが非常に温かい人柄だ」と説明した。

SNSで高市氏との対談を投稿する城内氏と同様、宮沢博行氏(静岡3区、細田派)も高市氏の動きを発信。選挙区内の一般党員約1800人には支援を求める手紙を郵送した。

岸田派(宏池会)領袖(りょうしゅう)の岸田文雄前政調会長を支持するのは、上川陽子法相(静岡1区)ら同派所属の3氏。深沢陽一氏(静岡4区)はSNSで「応援の輪を広げてください」と呼びかけ、岸田氏のツイッターをリツイート(転載)。前回衆院選の静岡5区で細野豪志元環境相に敗れ、繰り上げで比例復活した吉川赳氏もツイッターで岸田氏について「強い意志を持って臆することなく声をあげ、最も誠実に訴えを続けている」と政策などを紹介する。

塩谷立(りゅう)元文部科学相(静岡8区、細田派)は、岸田氏の選対顧問になる見通しとの一部報道もある中、自身のツイッター(16日時点)で各候補予定者の政策や理念などを踏まえ「わが国の未来のための判断をする」と投稿。支持候補を明らかにしていない。

井林辰憲氏(静岡2区、麻生派)と勝俣孝明氏(静岡6区、二階派)は、河野太郎ワクチン担当相を支持する。井林氏は、河野氏が議員会館であいさつ回りをする様子をSNSに投稿。選挙区内の川根本町が8月中に希望者へのワクチン接種を終えたことについて「(河野氏から)大きな力をいただきました」と持ち上げてみせた。

勝俣氏は、地元の会合の講師として招いたり2連ポスターを長年掲示したりと、河野氏と関係が深い。勝俣氏サイドは「脱原発路線のつながりもある」と支持の理由を説明する。

一方、県内の野党各党。憲法に基づいて要求された国会召集を与党が拒否したまま自民党総裁選に突入する中、立憲民主党県連の曳田卓幹事長は「総裁選よりも国会を開いてコロナ対策を行うべきで、党利党略とはこのこと」と非難。「安全保障問題などを強調して〝自民党政権でなければだめだ〟というムードを作っている」と衆院選への流れを警戒する。

国民民主党県連の岡本護幹事長は「他党のルールなのでとやかく言うことはない」としながらも「国会開催を優先すべきで、国民本位ではない」と批判した。

共産党県委員会の山村糸子委員長は「菅義偉(よしひで)首相の政権投げ出しの責任を全くとらずに、次は誰かと大騒ぎして総裁選に血眼になっているのはちょっと違うのではないか」と指摘した。