【ソウルからヨボセヨ】北朝鮮での飲酒運転 - 産経ニュース

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ソウルからヨボセヨ

北朝鮮での飲酒運転

韓国の法務当局関係者に聞いた、開城(ケソン)工業団地の話だ。南北が軍事境界線の北朝鮮側に位置する開城で2016年まで経済協力事業を展開した際、飲酒運転による事故の扱いが韓国で問題になったという。

現地では韓国人が罪を犯した場合、重大犯罪を除いて韓国の法に基づいて処罰する規定があり、いわば「治外法権」が認められていた。厄介なのは、北朝鮮の警察当局がアルコール濃度の計測機器を保有していないことだった。

物証に欠けるため、事故を起こした当事者が韓国に移送された後、証拠不十分で罪に問われないケースもあったという。北朝鮮の核実験などに伴う制裁措置で団地の稼働が中断されるまでアルコール計測機器が導入されることはなかった。

飲酒運転に対する問題意識が強まったのは韓国でもそう昔のことではない。韓国で地方に滞在した際、おばあさんがハンドルを握り「焼酎の小瓶2本までは飲酒と言わない」と豪語していたのは、私が留学生活を送っていた00年代前半の記憶だ。現在も事故は後を絶たないが、韓国も日本同様、痛ましい死亡事故を契機に厳罰化が進んだ。

北朝鮮の人々はどう考えているのだろうか。金正恩(キム・ジョンウン)体制の動きに注目が集中しがちな北朝鮮報道で、取材を進めたい関心事がまた一つ増えた。(時吉達也)