【主張】ワクチン完了5割 接種証明の実用化を急げ - 産経ニュース

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ワクチン完了5割 接種証明の実用化を急げ

新型コロナウイルスの流行が世界的に収束しない中で社会経済活動を再開するには、ワクチンの接種率を高めて、新たな生活様式を作っていくしかない。

行動制限緩和の鍵となるのは、ワクチンの接種や、PCR検査で陰性だったことを示す「証明」の発行である。

国内でワクチンの2回接種を完了した人が50・9%と対象者の半数を超えた。これを好機と捉え、取得しやすく、携帯しやすい全国共通の証明の仕組みを、早急に整えるべきだ。

フランス、ドイツ、米・ニューヨーク州なども接種率が5割あたりで病院や高齢者施設、飲食店などで証明(パス)の利用を本格化した。証明が有効に使えれば、病院での面会や長距離移動、イベントや飲食店の利用にも安心感が生まれる。事業者が一息つけると同時に、ワクチン接種に弾みがつくことも期待できる。

政府は先週、ワクチン接種を条件に行動制限を緩和することを決め、接種証明の利用についての考え方を示した。

民間では、誰にどんなサービスを提供するかは「原則として自由」とし、証明の幅広い利用を可能とした。半面、証明を提示しない場合に法外な料金を請求することや、就職や入学の要件とすることは不当であるとした。

健康上の理由でワクチンを打てない人もいる。証明がワクチン接種の強制や、打たない人への罰則につながることを避けるのは当然だ。一方で不平等の批判を恐れるあまり、特典を設けることに躊躇(ちゅうちょ)してもならない。

残念なのは、政府の「考え方」に証明方法の記載が不十分だったことだ。基本は「予防接種済証」の利用だというが、ピンとこない人もいるだろう。接種時に交付された紙媒体、シールのことで、持ち運びには不向きである。

海外渡航者向けに7月から発行されている「ワクチンパスポート」の国内利用にも触れ、年内にデジタル化するというが、スピード感に欠ける。スマホへのQRコード送付も検討されており、利便性の確保をいかに早く担保できるかが成否を分ける。

都道府県の中には独自に証明書発行を決めたところもある。政府の対応が鈍いからだ。利用しやすい証明は、傷んだ経済の再生に資する。実用化を急いでほしい。