【話の肖像画】台北駐日経済文化代表処代表・謝長廷(75)(13)「日台交流基本法」制定に期待 - 産経ニュース

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台北駐日経済文化代表処代表・謝長廷(75)(13)「日台交流基本法」制定に期待

自民党有志グループ「保守団結の会」が台湾との交流促進をめざして開いた会合。「日台交流基本法」制定を求める決議を行った。右端が謝長廷代表 =3月24日 (台北駐日経済文化代表処提供)
自民党有志グループ「保守団結の会」が台湾との交流促進をめざして開いた会合。「日台交流基本法」制定を求める決議を行った。右端が謝長廷代表 =3月24日 (台北駐日経済文化代表処提供)

《今年3月に自民党有志グループが参議院議員会館内で会合を開き、「日台交流基本法」制定を求める決議を行った》


高鳥修一衆院議員らが代表世話人を務めている「保守団結の会」に招かれ、私も会議に出席しました。双方の交流促進を目的とした「日台交流基本法」の制定に加えて、自民党と台湾の与党、民進党との定期協議の開催などが決議されましたね。

日本と台湾の間には正式な外交関係がなく、民間の交流が基本となっています。双方が結んでいる漁業や航空、課税などに関する合意は重要なものばかりですが、いずれも取り決めは双方の民間窓口機関が当事者であることに違いはありません。

台湾側からみれば在日大使館の役割を果たしている台北駐日経済文化代表処も、大使や大使館員の役割を果たす私も職員も一般民間人の扱いであり、もちろん外交特権はありません。

「日台交流基本法」の制定をめざすのは、民間の関係であったとしても、日台双方が法的にしっかりした取り決めをする必要があるとの考えからです。


《台湾の法的な位置づけが明確でないと不都合もある》


すこし複雑な話ですが、仮に台湾人が日本で何らかの容疑で身柄を拘束されたとしても、日本の捜査当局は台湾の駐日代表処には通知してくれません。

通常の国家同士の関係であれば、外国人の拘束や逮捕の場合、まず大使館や管轄エリアの領事館など公館に通知がきます。そして大使館などから担当官が出向いて、拘束された自国の人物に事情を聴く領事面接が認められます。仮に不利な扱いなどを受けていれば、支援もできます。

日本では外国人登録証明書(現在では在留カード)の国籍欄に、以前は台湾人も「中国」とされており、反発する声が大きかったのです。その後、これが「国・地域」との表記になって「台湾」とすることもできるようになりました。しかし在留カード以外に日本で同じような問題がいくつもあり、残念ながら基本的な解決にはなっていません。


《米国は台湾に法的措置でどのように対応しているか》


1979年に米国は中国と国交を結び、台湾と断交したのですが、同年に国内法で「台湾関係法」を制定しています。外交関係はなくなっても、台湾との関係を法的に定めたのです。

台湾人に対する米国入国の査証(ビザ)や台湾パスポートの取り扱いは「Taiwan」としています。また、台湾の安全保障のための武器供与なども法的に定められています。日本では「ダメ」なことも、米国では問題ないことが多いのは、台湾関係法が有効に作用しているからですね。米国のさまざまな法律を台湾に対して「適用」はできなくとも、「準用」することができる規定もありますので。


《日台が何らかの公的関係を結ばないよう、中国が政治的な圧力をかけ続けているが》


制定を求める声が広がり始めた「日台交流基本法」は、台湾のためだけではありません。留学や仕事など、台湾で暮らす日本人の方々、そのご家族も支えることになる。観光などで人的往来が多い日台関係を、法的にも安心して維持発展させることが、日本と日本人にとっても大事な課題になってきました。

民主主義の価値観を共有する日本の国民が法律の重要性を理解して、政治を動かしてくださることを期待しています。私が駐日代表でいる間に「日台交流基本法」の実現に向けた道筋がつけば、と考えています。(聞き手 河崎真澄)