変わらぬ日本経済の〝弱点〟 コロナ長期化で非正規にしわ寄せ - 産経ニュース

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変わらぬ日本経済の〝弱点〟 コロナ長期化で非正規にしわ寄せ

UAゼンセンの発表からは、新型コロナウイルス感染の長期化が、雇用にも深刻な影響を及ぼしていることが改めて浮き彫りとなった。特に非正規労働者への影響は大きいとされる。リーマン・ショックの際も、不安定な非正規雇用の問題は注目されたが、その後も非正規の比率は増加傾向にあり、日本経済が抱える構造的な〝弱点〟は残ったままだ。

新型コロナによる非正規労働者への影響は、総務省の労働力調査でも顕著に表れている。令和2年の非正規労働者の数は75万人減り、比較可能な平成26年以降で初めての減少となった。新型コロナでは外出自粛などで、飲食店や宿泊業が特に深刻な打撃を受けた。営業時間や規模の縮小なども相次ぎ、あおりを食う形で非正規労働者が契約の打ち切りや雇い止めに追い込まれたとみられる。

製造業を中心に雇い止めや派遣切りが発生したリーマン・ショックの時と、対象は異なるが、不安定な非正規にしわ寄せがいっている状況は同じだ。

今回は特に女性への影響が深刻だったとも言われている。飲食や宿泊業界は、パートタイムで働く女性の割合が多いためだ。また、世帯主の在宅勤務や学校の休校措置などで、家事の負担が増え、仕事を辞めざるを得なかった人も多かったとみられている。UAゼンセンも今後、新型コロナがパートタイム労働者に及ぼした影響について調査する考えを示した。

政府も休業手当を一部補(ほ)塡(てん)する雇用調整助成金や、休業手当を受け取れなかった人への休業支援金・給付金などの対策を講じてきた。日本総合研究所の井上恵理菜副主任研究員はこうした対策について「一定の効果があった」と評価しつつ、今後は「職業訓練を充実させ、人手不足の業種に正規雇用の形で労働力を振り向けるなど、抜本的な課題解決への取り組みが求められる」と指摘している。(蕎麦谷里志)