【サンライト帳】気になる言葉 - 産経ニュース

メインコンテンツ

サンライト帳

気になる言葉

最近、気になる言葉遣いがある。「今の現状」という言い方だ。二重表現として誤用なのだが、テレビから聞こえてくる会話に、なんと多いことか。「今の現状を説明します」などと発言する閣僚も見受けられ、〝ナウい表現〟として意図的に使っているのではと疑うほどだ。

タレントがよく使う「感動して鳥肌が立たった」という表現も気になる。幼いころ、長時間泳いでいると、体温が奪われ、皮膚にぶつぶつした鳥肌が現れた。「泳ぎはやめ」の合図だった。実際に鳥肌が立つのは、そう頻繁(ひんぱん)なことではないのだ。

誇大表現がはやる一方で「言葉が足らない」と批判され、退陣することになったのが菅義偉(すがよしひで)首相。コロナ禍という豪雨の中で、国民の心に届く言葉がなかったということか。過去には「言語明瞭、意味不明瞭」と揶揄(やゆ)された首相もいた。簡単なことではないが、新しいリーダーには、コロナ禍だからこそ、現状をしっかりと説明、あすに向かって国民に語り掛ける言葉を期待したい。(永尾和夫)