「空飛ぶクルマ」の開発加速 大阪万博に向け連携協定 - 産経ニュース

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「空飛ぶクルマ」の開発加速 大阪万博に向け連携協定

スカイドライブの「空飛ぶクルマ」の模型に乗り込む大阪市の松井一郎市長=14日、大阪市(黒川信雄撮影)
スカイドライブの「空飛ぶクルマ」の模型に乗り込む大阪市の松井一郎市長=14日、大阪市(黒川信雄撮影)

2025年大阪・関西万博に向け、大阪で「空飛ぶクルマ」の実現に向けた動きが本格化している。大阪府・市は14日、開発企業のスカイドライブ(東京)と連携協定を締結。政府も予算措置などを通じて大阪の取り組みを後押しする構えだ。空飛ぶクルマは万博の〝目玉〟といえる事業の一つで、その実現が関西での先端技術開発の機運を高めることが期待されている。

空飛ぶクルマは自動操縦が可能な電動の垂直離着陸機のことで、次世代の移動手段として各国で研究開発が進められている。スカイドライブは、トヨタ自動車出身の技術者らが平成30年に設立したベンチャーで、空飛ぶクルマのほか、物流用の小型無人機「ドローン」の開発などを手がけている。

この日の連携協定には、スカイドライブが空飛ぶクルマの商業利用に向けた実証実験などを大阪府内で実施するほか、住民向けの啓発イベント、他の企業と連携を進めることなどが盛り込まれた。スカイドライブは、令和6年には府内で有人飛行による実証実験を行い、7年の万博では実際に来場者が搭乗できるようにする方針という。

スカイドライブの「空飛ぶクルマ」の模型=14日、大阪市内(黒川信雄撮影)
スカイドライブの「空飛ぶクルマ」の模型=14日、大阪市内(黒川信雄撮影)

締結式に出席した大阪府の吉村洋文知事は「この機体が大阪の上空を飛んでいるシーンをぜひ実現したい」と期待。スカイドライブの福澤知浩最高経営責任者(CEO)は「万博1年前の有人での実証実験を確実に行いたい。安全、安心を心がけながら作り込んでいく」と応じた。

スカイドライブは8月には、関西電力や大林組、近鉄グループホールディングスなどと共同で、大阪湾岸でドローンを使った海上飛行実験を今秋に実施することも発表している。

これらの大阪の動きに対し、国も支援を強化している。国土交通省は8月に発表した令和4年度予算の概算要求で、空飛ぶクルマの実証実験などを含む万博準備のための事項を盛り込んだ。日本では一般の空域での空飛ぶクルマの有人飛行が認められていないため、政府が年内にもまとめる万博に向けたアクションプランに、規制緩和に関する事項が含まれることが期待されている。

日本総合研究所の若林厚仁・関西経済研究センター長は、空飛ぶクルマの開発は関西経済を直接的に押し上げる要因にはならないとの見方を示しつつも、「実現すれば、万博が『未来社会の実験場』であることを目に見える形でアピールできる。関西において、先端技術を開発する機運が高まる効果が期待できる」と指摘している。(黒川信雄)