蔓延防止に移行の宮城、苦境続く酒店 - 産経ニュース

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蔓延防止に移行の宮城、苦境続く酒店

飲食店向けビールの樽が並ぶ光景が戻ってきた吉田酒店の倉庫=13日、仙台市太白区(大柳聡庸撮影)
飲食店向けビールの樽が並ぶ光景が戻ってきた吉田酒店の倉庫=13日、仙台市太白区(大柳聡庸撮影)

宮城県は13日、新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言から「蔓延(まんえん)防止等重点措置」に移行し、飲食店に対する酒類提供の制限が一部緩和された。酒類を卸す酒店もひと息つきたいところだが、仙台市内での酒類提供は感染対策を徹底していると県が認証した店に限られるなど、需要の本格的な回復にはほど遠い。営業時間の短縮などに応じた飲食店に支給される協力金も酒店は対象外とあって、厳しい状況が続く。

「(飲食店向けの)生ビールの樽(たる)を店から出している光景を久しぶりに見た」。仙台市内の飲食店などに酒類を卸す吉田酒店(同市太白区)の吉田智博取締役営業部長(33)はこう胸をなでおろす。

ただ、8月の売上高はコロナ禍前の一昨年の同月に比べて約9割減と落ち込んだ。「回復の目途はたっていない」と表情は厳しい。

県内に重点措置が適用されるのは30日まで。仙台市内では県の認証店は午後7時まで酒類が提供できるが、それ以外の店は終日できない。仙台市外では全ての飲食店が午後7時まで酒類の提供が可能な上、県の認証店は時間制限がない。

ただ、県によると、認証店は認証見込みの段階を含めて13日時点で1634店に過ぎない。認証店は席の間隔を空けるといった新型コロナ対策を取る必要があり、収容人数が目減りする。松島町の酒店「むとう屋」の佐々木憲作副社長(42)は「売り上げは伸びないだろう。行政には飲食店に関連する業者にも配慮してほしい」と訴える。

村井嘉浩知事は13日の定例会見で、重点措置への移行について「妥当な判断だ」とした上で、感染の現状について「油断できない」と強調した。状況次第では厳しい措置に戻る可能性もあり、多くの飲食店や酒店は明るい展望を描けないでいる。(大柳聡庸)