東京都町田市立小学校に通っていた6年生の女子児童=当時(12)=が昨年11月に自殺し、同級生からいじめを受けていた可能性があることが13日、分かった。同日、遺族が都内で会見し明らかにした。文部科学省が進める「GIGA(ギガ)スクール構想」で児童に1人1台配備されたタブレット端末のチャット機能を使ったいじめが常態化していた可能性があるという。
遺族らによると、女児は昨年11月30日、自宅の自室で死亡していた。遺書が残されており、クラスメートに仲間外れにされていたことなどへの悩みが記されていたという。学校側は当初、いじめとの因果関係を否定したが、今年3月に入り当時の6年生の保護者会を実施、いじめが自殺の一因となったことを認めた。
遺族側の調査では、女児は4年生ごろには同級生からいじめを受けていた可能性があるという。この小学校では平成31年4月、GIGAスクール構想に基づき児童1人1台のタブレット端末を配備。遺族側は加害児童が、授業中などに1人1台端末のチャット機能を使って自殺した女児に対して「うざい」「死んで」などと書き込み、ほかの児童とも内容を共有していたと指摘している。
同市教育委員会は学校側からいじめについて報告を受けており調査を進めている。遺族側は文科省に第三者委員会による調査などを要望した。
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全ての小中学生に1人1台のデジタル端末を配備する「GIGAスクール構想」で文科省は、新型コロナウイルス禍による休校対策として計画を大きく前倒しし、今年3月末時点でほぼすべての自治体が小中学校に配備を完了させた。一方、会員制交流サイト(SNS)を使ったいじめ問題などを背景に子供へのネットリテラシー教育が不可欠との指摘が多い中、1人1台端末を悪用したとみられる事態が発覚した。