【TOKYOまち・ひと物語】コロナ後「バリアフリー進展を」 訪日外国人障害者向けサイト運営・グリズデイルさん(40) - 産経ニュース

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コロナ後「バリアフリー進展を」 訪日外国人障害者向けサイト運営・グリズデイルさん(40)

「訪日外国人障害者との交流を通じ、日本人が自国のバリアに気づくきっかけになればいい」と話すグリズデイルさん=江戸川区
「訪日外国人障害者との交流を通じ、日本人が自国のバリアに気づくきっかけになればいい」と話すグリズデイルさん=江戸川区

政府が新型コロナウイルスのワクチン接種進展を見据えた行動制限緩和の方針を示す中、入国が制限されてきた外国人観光客の受け入れ本格化にも期待が高まっている。手足に障害を持つ車いす利用者として、訪日外国人障害者に観光情報を発信してきたカナダ出身で東京都江戸川区在住のグリズデイル・バリージョシュアさん(40)は感染収束後、多くの外国人障害者が来日し、日本人と交流を深める日を待ち望む。「日本のバリアフリーがさらに進んでくれれば」と願う。(植木裕香子)

現地に赴き調査

カナダ・トロント生まれ。脳性まひで四肢に障害が残り、幼いころから電動車いすを使ってきた。日本への関心が高じて平成19年に日本へ移住。外国人障害者として日本で暮らす中、訪日外国人障害者向けの観光情報サイト「アクセシブルジャパン」を27年に立ち上げた。来日した外国人障害者の情報不足という壁を取り払いたい一心だった。

「日本文化に興味があって高校卒業後、初めて日本を旅行しましたが、英語で記した日本の情報が少なく心配でした。障害者には『車いすで観光地やレストランに行けるか』などの不安が伴うからです」

自身の経験を踏まえ、サイトには公共交通機関や飲食店に関するバリアフリー情報を英語などで掲載。掲示板では質問コーナーも設けている。

アニメ関連の商品やフィギュアの専門店が数多く入る中野区の複合施設「中野ブロードウェイ」内のバリアフリーの状況について質問を受けた際は、現地に足を運び、最寄り駅からのアクセス状況なども含めて調査して回答した。きめ細かい対応は評判を呼び、サイトにはこれまでに米国や英国、オーストラリアなどに住む障害者らがアクセスしているという。

利用難しい店も

これまでの活動を通して、都内の主な観光地ではバリアフリーが浸透していることが分かった。

「浅草寺(台東区)は本堂にエレベーターがつき、敷地内の段差も少なく障害者が訪れやすくなっている。東京スカイツリー(墨田区)などもバリアフリーが進んでいると感じる」

一方で、都内の飲食店のなかには段差があったり出入口が狭かったりして、車いすユーザーが利用しにくい所もある。

「日本に住んでいる障害者なら、最初からそうした店を利用することを諦めるかもしれない。でも、『この店で食べたい』と主張する外国人障害者と接触すれば、店側も(段差などの)バリアに気づいて状況を改善するかもしれないと考えている」

コロナ禍で一時的にアクセス数が落ち込んだサイトは、都内の感染者数が減少傾向になってきたこともあり、徐々に回復。感染収束後、外国人障害者の来日が見込めそうだという。

「東京が外国人障害者にとって安心して旅行できる場所だと分かれば、観光客も増え日本経済にもプラスになる。(段差解消などの)店の整備も(観光客を呼ぶための)投資だと考えることでバリアフリーが進めば、東京はより住みやすい街になると思う」。コロナ禍後の変化にそう期待を込めた。