【書評】『ヴァイタル・サイン』南杏子著 - 産経ニュース

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書評

『ヴァイタル・サイン』南杏子著

『ヴァイタル・サイン』
『ヴァイタル・サイン』

看護師になって10年の素野子(そのこ)は東京の病院で死と隣り合わせの高齢者が多い病棟に勤務。過酷なシフトで疲弊し、時に患者やその家族から理不尽な扱いを受けるなどストレスも大きい。ある日、担当患者が誤嚥(ごえん)性肺炎を起こし、素野子は患者の娘からののしられる。

医師で作家の著者が、「たくさんの生老病死があって、それらが常に動いて」いる病院を舞台に、患者らに寄り添い続ける看護師の姿を描く医療エンタメ小説。物語から力をもらうとともに、「医療者は自分のことを二の次にしやすいもの」という言葉に、コロナ禍の医療従事者への思いを新たにした。(小学館・1760円)