スマートフォンやPCを遠隔監視、政府に売り込まれる強力なスパイツールの危険性(1/3ページ) - 産経ニュース

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スマートフォンやPCを遠隔監視、政府に売り込まれる強力なスパイツールの危険性

スマートフォンやPCを遠隔で操作したり監視したりできるツールを開発したというスペイン企業が、各国政府への売り込みを強化している。こうした監視ツールは国民を弾圧する政府の手に渡る危険性が指摘されており、人権擁護団体などからの批判の声が高まっている。

TEXT BY SAMUEL WOODHAMSTRANSLATION BY RYO OGATA/GALILEO

WIRED(UK)

AndroidやmacOS、WindowsなどのOSをインストールした端末を、遠隔で監視し掌握できる──。そんな強力なハッキングツールを開発したと、あるサイバーインテリジェンス企業が主張している。

『WIRED』UK版が確認した資料によると、このMollitiam Industriesという企業は「標的を戦術的な手法によって調査する」ツールを開発したという。このツールによって、インターネットに接続している標的に対する「匿名での傍受と、相手に発覚しないかたちでの遠隔制御」が可能であると訴求している。

第三者の企業がネットで閲覧できるかたちで公開していたマーケティング資料によると、「Invisible Man」や「Night Crawler」と名付けられたMollitiam Industriesの傍受ツールは、標的のファイルや位置情報に遠隔からアクセスしたり、デバイスのカメラやマイクをオンにしたりもできる。

また、このツールにはキー操作を記録するキーロガーの機能があるという。この“スパイウェア”がインストールされていると、パスワードから検索ワード、暗号化に対応したメッセージアプリで送信したメッセージまで、あらゆるキー入力が記録され、監視される恐れがあるというわけだ。

批判されてきた監視技術

傍受が発覚しないように使われている技術は、「不可視型低ステルス性テクノロジー(invisible low stealth technology)」と呼ばれている。例えば、Android版ツールは「データ量が少なくバッテリー消費を抑制している」ことから、スマートフォンやタブレット端末に仕込まれていてもユーザーから怪しまれないという。さらに、ソーシャルメディアとダークウェブを横断して「デジタルプロフィールとデジタルIDを大規模調査できる」と主張している。

イスラエルのNSO GroupやイタリアのHacking Team、ドイツのFinFisherなど、標的への侵入を伴うスパイウェア技術の開発に関与しているサイバーインテリジェンス企業は、この数年は人権団体から批判され続けてきた。国民を弾圧する政府に提供している高度なスパイツールが、市民団体のメンバーに使われていると非難されてきたのである。