イラン、IAEAと核開発の監視で協議 - 産経ニュース

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イラン、IAEAと核開発の監視で協議

IAEAのグロッシ事務局長
IAEAのグロッシ事務局長

【カイロ=佐藤貴生】イランの核開発を監視・検証する国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は12日、同国の首都テヘランでイラン原子力庁のエスラミ長官と会談した。イランとIAEAは同国内の核施設に設置された監視カメラの稼働継続などで合意したとする共同声明を発表した。

共同声明によると、イランはIAEAに対して監視カメラの記憶媒体を交換することは認めた。ただ、データはこれまで同様に「イラン国内で保管される」としており、核開発の実態把握が困難な事態は続く恐れがある。

イランは2月にIAEAとの協力を制限し、バイデン米政権に対する経済制裁解除の圧力を強めた。その後も核兵器級に大きく近づく濃縮度60%のウランを製造するなど核開発を加速している。ウィーンで13日から始まるIAEAの定例理事会で欧米などの批判が高まりそうだ。

イランの穏健派ロウハニ政権(当時)とバイデン米政権は4月、2015年締結の核合意立て直しのため、イランの核開発の制限と米制裁の解除を話し合う間接協議を始めた。しかし、結論が出ないうちにロウハニ大統領は任期切れで退任。8月に発足したライシ政権は反米保守強硬派で対米関係は冷え込む公算が大きくなっている。

ライシ大統領は今月4日、米国との間接協議を再開する用意があるとする半面、「圧力」が続く中での協議には応じないとして米国などを牽制(けんせい)した。すべての制裁の解除を求めるイランに対し、米国は要求に応じない態度を示すなど隔たりは埋まっておらず、双方の対立は今後さらに深まる可能性もある。