新型コロナウイルス感染症の軽症者向け飲み薬(経口薬)の開発競争が本格化している。新規感染者が連日1万人を超える中、コロナ禍収束のためには、ワクチン接種だけでなく、効果的な治療薬の実用化が欠かせない。とくに感染初期に風邪薬のように服用できる経口薬ができれば、感染者の重症化予防に加え、医療現場の負担軽減への効果も期待できる。既に、国内外で複数の新薬候補の臨床試験(治験)が進み、実用化に向けた大詰めの段階に入ったものもある。
重症化、感染拡大防ぐ
国内で現在承認されている新型コロナ治療薬は、抗ウイルス薬レムデシビルと、過剰な免疫反応や炎症反応を抑えるデキサメタゾンとバリシチニブに加え、新型コロナ向けに開発された「抗体カクテル療法」のカシリビマブとイムデビマブ。