大都会の隣で始まった下町ワーケーションの未来(1/2ページ) - 産経ニュース

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大都会の隣で始まった下町ワーケーションの未来

近鉄布施駅前に開業したシェアオフィスのラウンジスペース。集中してテレワークができる仕事場を提供する=大阪府東大阪市(西川博明撮影)
近鉄布施駅前に開業したシェアオフィスのラウンジスペース。集中してテレワークができる仕事場を提供する=大阪府東大阪市(西川博明撮影)

新型コロナウイルス禍でテレワークが浸透する中、旅先で休暇を楽しみながら働く「ワーケーション」を推進する動きが活発化している。地方創生につなげようと誘致に熱を入れる自治体が相次いでいるが、大阪府東大阪市で始まったのは「都市型ワーケーション」と銘打った取り組み。昭和レトロの風情を残す下町の魅力を発信し、近場観光の需要を掘り起こすのが狙いだ。

昭和の情緒

「(東大阪市の)布施には昭和の情緒が残る商店街がある。地元の人には日常だが、よそ者にとっては非日常の場所。大阪市中心部にない魅力がある」

町工場が集まる「ものづくりのまち」東大阪の下町にワーケーションの可能性を見いだすのは、シェアオフィス運営のベンチャー企業「リクリー」(大阪市北区)の高室直樹社長。東大阪市の外郭団体が運営し、総合スーパー「イオン」が入る近鉄布施駅前の複合商業施設内に8月、大阪市を除けば大阪府内最大級というシェアオフィス(広さ約700平方メートル、約130人収容)をオープンさせた。

昨年来のコロナ禍でテレワークが普及するなど働き方は多様化。一方、自宅では仕事がはかどらないという人も少なくなく、オフィスと遜色のない機能性を備えた環境を提供する。利用料金は3時間千円からで、Wi―Fi(ワイファイ)が整備され、コーヒーも飲める。

近鉄布施駅前の商店街にある宿泊施設「セカイホテル」。看板に婦人服店だった頃の名残を残す=2月、大阪府東大阪市(西川博明撮影)
近鉄布施駅前の商店街にある宿泊施設「セカイホテル」。看板に婦人服店だった頃の名残を残す=2月、大阪府東大阪市(西川博明撮影)

高室社長は「(大阪・キタの)堂島のシェアオフィスと比べると、利用料金は3分の2程度と格安」と手軽さをアピール。月額契約すれば個室も使え、近鉄沿線に住む府内や奈良、三重の通勤・通学客らの利用を見込む。

再活性化の起爆剤に

リクリーの取り組みに共感し、宿泊客の受け入れを担うのが「SEKAI HOTEL」(セカイホテル、大阪市北区)だ。同社は西九条(同市此花区)と布施の2カ所で宿泊施設を運営。布施の施設は商店街の空き店舗やビルを改装し、平成30年にオープンした。矢野浩一社長によると、利用は「出張客のリピートが多い」といい、シェアオフィス事業との連携に手応えをにじませる。