新車の値上げが相次ぐかもしれない―。トヨタ自動車と日本製鉄による自動車用鋼材の価格交渉が、8月下旬に大幅値上げで決着した。交渉結果を踏まえて、トヨタは系列部品メーカーなどに卸す鋼材の価格を2万円ほど引き上げる方針だ。自動車最大手と鉄鋼最大手の交渉は「チャンピオン交渉」と呼ばれており、さまざまな製品の価格に影響を及ぼしそうだ。一方で、激しい交渉で両社の関係に溝が生じたとの見方も出ている。
「上がるのは確実だと思っていたが、予想以上に上げ幅が大きかった」
東京に本社を置くある鉄鋼商社の幹部は、日鉄とトヨタの交渉結果を聞いてそんな感想を漏らした。