千葉・市原市が「更級日記千年紀文学賞」新設 大賞決まる - 産経ニュース

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千葉・市原市が「更級日記千年紀文学賞」新設 大賞決まる

更級日記の作者、菅原孝標女の像=10日、千葉県市原市五井中央東(平田浩一撮影)
更級日記の作者、菅原孝標女の像=10日、千葉県市原市五井中央東(平田浩一撮影)

千葉県市原市は「更級日記千年紀文学賞」を新設し、一般の部の第1回大賞受賞作に全国から応募があった210作品の中から白井市の長野和夫氏(78)の小説「月下の運動会」を選んだ。「家族」をテーマとした短歌を募集した小中学生の部の大賞には、君津市の私立翔凛中3年(応募当時)の又吉翔子さん(15)が選ばれた。

文学賞は、平安時代の女流文学作品として名高い「更級日記」の作者・菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)が、帰京のため上総国府(現在の市原市)を出発した1020年から1000年となった2020年を迎えたことを記念した。

「更級日記」ゆかりの地として市は、文字に書き表すことが時代を超え、暮らしや文化、風景、心の機微を伝えることができる手段であることを見つめ直す契機になるよう、そして、書く人も読む人も郷土への誇りと愛着を高めてもらいたいと、文学賞を創設した。

一般の部には、小説のほか、紀行文や随筆などの作品が寄せられた。小中学生の部の短歌は全国から1735首の応募があった。大賞受賞の又吉さんは「あと何度つないでくれるの弟よいつも待ってる私の右手」と詠んだ。

一般の部の選考委員長で作家の椎名誠さんは、長野さんの作品を「最終選考候補作品の中で群を抜いて小説作りがうまいと感じた。含蓄のある奥の深いものであった。タイトルもうまく、読む人を引き付けている」と評した。

長野さんは「受賞を活力に、新たな挑戦に向けて創作意欲を奮い立たせています」、又吉さんは「弟が成長していくうれしさと寂しさをこの短歌に込めました」と、それぞれコメントを発表した。

一般の部の受賞作は10月1日正午から特設サイトで公開される予定。

一般の部のその他の入賞者は次の通り。(敬称略)

【優秀賞】随筆「にしはどこから?」角文雄(千葉市)▽小説「ここにいること」田中三希(千葉市)【選考委員特別賞】小説「いまたち」森周章(東金市)▽小説「遠くの故郷」粉川八重(四街道市)▽随筆「なの花びより」丸房代(市原市)。