実行犯出身のサウジ 対米「ねじれ」に苦心 9・11テロ20年 - 産経ニュース

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実行犯出身のサウジ 対米「ねじれ」に苦心 9・11テロ20年

サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子(サウジ王室提供=ロイター)
サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子(サウジ王室提供=ロイター)

【カイロ=佐藤貴生】米中枢同時テロの実行犯19人はいずれも中東のアラブ諸国の出身で、うち15人と突出していたのがテロを首謀したウサマ・ビンラーディン容疑者と同じイスラム教スンニ派の地域大国、サウジアラビア出身者だった。

サウジは親米を外交の基調とする半面、国内にはイスラム教の戒律に厳格なワッハーブ派の教えが広く浸透し、米国に反感を抱く者も少なくないとされる。政府は米国をめぐる外交と内政の板挟みの中でバランスを取るのに苦心してきた。

イスラム教の価値観を重視する共通項があったことから、サウジは1996年にアフガニスタンを制圧したイスラム原理主義勢力タリバンの旧政権を承認した。しかし同時テロ発生を受け、ビンラーディン容疑者の米国への引き渡しを拒否したとして旧政権を非難し、外交関係を断絶。米国に配慮する姿勢をみせた。

サウジで現在、政治の実権を握るムハンマド・ビン・サルマン皇太子は宗教指導層の影響力を薄めて女性の人権向上に努めるなど、親米路線を強化する方向で国内改革を進めている。

ただ、サウジでの反米過激化阻止は一筋縄ではいかない。サウジ空軍から派遣された訓練生の少尉が2019年、米フロリダ州ペンサコラの海軍施設で銃を乱射し3人を死亡させた事件では、国際テロ組織アルカーイダ系武装組織「アラビア半島のアルカーイダ」(AQAP)との間に「相当なつながり」があったことが判明している。