日本人は危機を考えることが苦手なのかもしれない。最近ようやく中国が台湾の武力統一に乗り出す「台湾有事」の可能性がさかんに論じられるようになったが、今でも「武力統一など議論の対象になっても現実にはあり得ない」という識者、専門家が少なくない。「有事などあってほしくない」という気持ちは分からないでもないが、しかし、楽観論に安住し、危機を考えることもしないのであれば、安全保障など成り立たない。
中国は、台湾を不可分の領土であると認識し、国際社会に向かって「核心的利益」と公言している。これはつまり、いかなる手段を用いても台湾を中国共産党政権の統治下に置く意志を持っているということである。