中国外相が東南アジア歴訪開始 米との連携にくさび - 産経ニュース

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中国外相が東南アジア歴訪開始 米との連携にくさび

中国の王毅国務委員兼外相(新華社=共同)
中国の王毅国務委員兼外相(新華社=共同)

【北京=三塚聖平、シンガポール=森浩】中国の王毅(おう・き)国務委員兼外相は10日、ベトナムを訪問した。15日までの日程でカンボジア、シンガポールの東南アジア諸国と韓国を歴訪する。今夏にはバイデン米政権の主要閣僚らが東南アジアを訪問しており、習近平政権はアジア関与を強める米国をにらみ、連携にくさびを打ち込む考えとみられる。

シンガポールとベトナムには、8月下旬にハリス米副大統領が、7月下旬にオースティン米国防長官がそれぞれ訪れたばかりだ。ハリス氏はベトナム訪問時、中国が南シナ海で「いじめ」を続けていると述べるなど対中批判を展開。中国メディアは「中国脅威論を誇張して中国内政におおっぴらに干渉し、徒党を組んで対中国陣営を作ろうとたくらんだ」と警戒する。

今回の王氏の訪問は、新型コロナウイルス対策や経済面での協力を打ち出し、東南アジア各国を引き付ける狙いがあるとみられる。8月下旬には中国の熊波(ゆう・は)駐ベトナム大使が、ベトナムのファム・ミン・チン首相と会談し、ワクチン提供を申し出ている。

一方、ベトナムとシンガポールは王氏訪問を歓迎している。両国ともに米中間でバランスを取りたい意向が強いだけに、中国とも関係を維持する好機と見る。

ベトナムは南シナ海の領有権をめぐって中国との摩擦が続くが、最大の貿易相手国でもある中国との対立激化は避けたい考えだ。シンガポールも中国と経済面での結びつきが深い。

東南アジアではこれまでインドネシアが地域の盟主を自任してきた。しかしハリス氏やオースティン氏に続き王氏も、東南アジア歴訪にインドネシアを含めず、ベトナムとシンガポールを選択した。地域のパワーバランスに変化をもたらす可能性もある。