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黒木華「定義づけずにフラットで」

謎の行動をする妻を演じ、観客も翻弄する黒木華=東京都港区(石井健撮影)
謎の行動をする妻を演じ、観客も翻弄する黒木華=東京都港区(石井健撮影)

「先生、私の隣に座っていただけませんか?」(堀江貴大=ほりえ・たかひろ=監督)は、夫婦の複雑な心理戦をユーモアとスリルを織り交ぜて描く人間ドラマ。従順だがミステリアスな行動をとる妻を演じるのは黒木華(はる)(31)。「この作品は、見る人によって感想が違ってくるはず」と語る黒木に話を聞いた。

早川佐和子(黒木)と俊夫(柄本佑=えもと・たすく)は夫婦で漫画家。佐和子はかつて俊夫のアシスタントだったが、今では立場が逆転している。俊夫に再起の意欲はなく、編集者(奈緒=なお)との浮気を楽しんでいる。だが、ある日、俊夫は佐和子の新作の草稿を盗み見て肝を冷やす。

「佐和子のすべての行動は、俊夫に向けたものじゃないですか? 俊夫の心を動かしたい。自分のほうに向いてほしいという気持ちが、ちゃんとあるんだということを忘れないようにしました」と黒木は、佐和子の人物像を話す。

物語には佐和子が通う自動車教習所の教官、新谷歩(金子大地)も絡み、果たして佐和子が隣に座ってほしい「先生」とは俊夫なのか、新谷なのか、それとも…。俊夫と一緒に観客も翻弄する脚本は、監督の堀江が手がけたオリジナルだ。

「監督からは、あまり分かりやすくしないよういわれました。説明的な芝居をしないというか。そこも意識しました」と黒木は続ける。

黒木は平成22年、劇作家、野田秀樹による作演出舞台で本格的な女優デビュー。蜷川幸雄(にながわ・ゆきお)、山田洋次と日本を代表する演出家の作品に出演した。山田の映画「小さいおうち」では、ベルリン国際映画祭の銀熊賞(最優秀女優賞)を獲得した。

デビューから10年を超えたが、「あっという間でしたねえ」と振り返る。この間、心掛けたのは「常にフラットでいること」だという。

「自分の意見や考えもありますが、それよりも監督や共演者と一緒に作っていくほうが楽しい」と話し、今回の映画の場合も「共演者が佑さんだから、こうなったといえます」と語る。