アフガン支援「中露の枠組みに期待」と国連代表 - 産経ニュース

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アフガン支援「中露の枠組みに期待」と国連代表

9日、国連安全保障理事会で報告する国連アフガニスタン支援団のライオンズ代表(左上画面、国連データベースより)
9日、国連安全保障理事会で報告する国連アフガニスタン支援団のライオンズ代表(左上画面、国連データベースより)

【ニューヨーク=平田雄介】イスラム原理主義勢力タリバンが実権を掌握したアフガニスタンの現状について、国連アフガニスタン支援団(UNAMA)のデボラ・ライオンズ代表が9日の国連安全保障理事会で報告した。ライオンズ氏は「(アフガンの)経済・社会秩序は完全な崩壊の危機にある」とし、中露が主導する上海協力機構(SCO)など地域協力の枠組みに期待を示した。アフガンに対する人道支援で中露が鍵を握る構図が浮き彫りになってきた。

UNAMAは、国際機関や非政府組織(NGO)と連携し、アフガンの人道支援事業を統括する国連の政治使節団。代表のライオンズ氏はカナダ出身の外交官で、カナダの駐イスラエル大使や駐アフガン大使を歴任し、2020年3月に現職に指名された。

ライオンズ氏は報告の中で「通貨アフガニの価値が下落し、燃料や食料の価格が高騰している。給与の不払いも起きている」と指摘。このままでは「さらに数百万人が貧困と飢餓に追いやられる」とし、安保理理事国の一致した対応を求めた。

その上で、SCOのほか、ロシアが主導する米中パキスタンなどとの「拡大版トロイカ会合」の取り組みで状況が改善することを「期待している」と述べた。米国について単独での言及はなかった。

ライオンズ氏は国連や各国による個別制裁でアフガンの多くの在外資産が「凍結」されていることについて、タリバンに資金が渡るのを防ぐ目的は「理解できる」としつつ、「人道支援を行える適当な仕組みを早急に構築する必要がある」と訴えた。

国連によると、アフガンで人道支援を必要としているのは人口の半分近くにあたる約1800万人にのぼる。国連開発計画(UNDP)は9日、アフガンの政治・経済の混乱が続けば、「最悪の場合、来年半ばまでに国民の97%が貧困層になる恐れがある」と発表した。人道支援拡充のため、国連は13日にスイス・ジュネーブで外相会合を開催する予定だ。