【主張】日大強制捜査 マンモス大学の闇を暴け - 産経ニュース

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日大強制捜査 マンモス大学の闇を暴け

日本大学事業部に家宅捜索に入る東京地検特捜部の係官ら=8日午後1時6分、東京都世田谷区
日本大学事業部に家宅捜索に入る東京地検特捜部の係官ら=8日午後1時6分、東京都世田谷区

7万人を超える全国最多の学生が在籍する日本大学の大学本部や田中英寿理事長の自宅、関連会社の「日本大学事業部」などを東京地検特捜部が背任容疑の関係先として家宅捜索した。

日大付属病院の建設工事をめぐり、「事業部」の幹部が巨額の資金を流出させた疑いがある。

日本一のマンモス大学である日大では、これまでも数々の不祥事や疑惑をめぐって、田中氏の名や「事業部」の存在が取り沙汰されてきた経緯がある。

税制上の優遇を受け、補助金の対象である学校法人の経営に透明性が求められるのは当然である。捜査を通じてその暗部をつまびらかにしてほしい。

田中氏は日大相撲部の出身で、アマチュア横綱や相撲部監督としてアマの角界に君臨し、日本オリンピック委員会(JOC)副会長や国際相撲連盟会長などの要職を務めてきた。

平成20年に日大理事長に就任すると、22年に日大の100%出資で株式会社「日本大学事業部」を立ち上げた。役員や幹部には田中氏に近いとされる同大の相撲部やアメリカンフットボール部のOBや指導者らが名を連ねてきた。

設立目的には「収益を日大に寄付・還元することによる『新たな収入源の確保』と、事業を通したコスト削減を支援することによる『財政基盤の確立に寄与』すること」などとうたわれている。ホームページによると従業員数は47人、民間信用調査会社によると、令和元年12月期の売り上げは約90億円に上る。

田中氏については日大常務理事当時の平成17年にも工事関連業者との癒着問題が報じられ、大学の調査委員会も中間報告書で「電気工事業者から指名・発注に対する謝礼金を受け取ったという極めて濃厚な疑いが残る」と記した。だが田中氏が理事長就任後に設置された別の特別調査委がこの中間報告を全面的に否定していた。

30年の日大アメリカンフットボール部員による危険タックル事件では、部員に危険行為を指示したとされる元監督や、もみ消し工作を行ったとされる元コーチが「事業部」の役員や幹部だったことも問題視された。

捜査と並行し、大学独自の自浄作用にも期待する。自らの手で膿(うみ)を出し切り、こうした過去の醜聞とも決別を図ってほしい。

日大、巨額資金流出か 背任容疑で理事長宅も家宅捜索 東京地検