ビール大手4社が10日発表した8月のビール類販売実績は、全社が前年同月比で2桁の減少率となった。新型コロナウイルスの全国的な感染拡大で業務用が落ち込んだ。大雨や低気温など天候不順が影響して家庭向け缶商品も振るわず、既にコロナ流行下だった昨年8月から一段と減少した。
発泡酒や第3のビールを含むビール類の販売数量はキリンビールが前年実績から14%減、サッポロビールが19%減、サントリービールが24%減、アサヒビールは売上金額ベースで23%減だった。
8月はコロナ新規感染者数が急増し、緊急事態宣言や蔓延(まんえん)防止等重点措置の地域が広がった。酒類提供の制限に伴い、飲食店での瓶やたる生ビールの消費が鈍った。
業界推計では、コロナ以前の2019年8月と比べると市場全体では約3割減ったとみられる。