関西経済連合会が10日発表した新型コロナウイルスを受けた働き方に関する調査で、テレワークを認めている企業での実施率は43・7%だった。政府目標の出勤者7割削減が高いハードルであることが浮き彫りになった。
関経連の会員企業や団体を対象に、緊急事態宣言が発令中の6月20日時点の状況を質問。212社から回答があり、約9割がテレワークを認めていた。
ただ、実施率は43・7%にとどまり、初めて緊急事態宣言が発令された昨年4~5月の54・8%も下回った。
テレワークではオンラインの活用が定着しているが、課題を指摘する企業も多い。調査では、業務の進捗(しんちょく)状況の把握、管理が困難▽成果の評価が難しい▽研修など人材育成では出社せざるを得ない-などの声があったという。
関経連は「昨年時点では対処法が分からないまま緊急避難的にテレワークが導入された。現在はできること、できないことの理解が進み、業務上必要な場面を見極めて出社することが増えているのではないか」と分析する。
ある大手製造業では本社はほぼ7割削減を達成しているが、製造現場は1、2割にとどまり、「これ以上は上がらない」と話す。
テレワーク実施率は1割未満という大阪府内の中小企業は、出勤者7割削減に関し「政府が給料支払いを保証したうえでロックダウン(都市封鎖)でもしないと達成は難しいのでは」とする。