【ビジネス解読】気候変動問題にわずかな光 国連報告書が克服シナリオ 大雨と人類の関連「不明」(1/3ページ) - 産経ニュース

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気候変動問題にわずかな光 国連報告書が克服シナリオ 大雨と人類の関連「不明」

ドイツの山間部から撮影された風力発電施設(ロイター)
ドイツの山間部から撮影された風力発電施設(ロイター)

世界的に対策の必要性が叫ばれている気候変動問題の先行きにわずかな光がさしている。国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第1作業部会が8月9日に発表した第6次評価報告書の第1弾は温暖化に警鐘を鳴らす一方、各国による温室効果ガス排出量削減が進んで地球温暖化を克服するシナリオも提示。また、人類の活動と大雨などとの関連は不明とし、災害拡大の恐怖を過剰にあおる立場とも距離をとる。気候変動問題に対応する際には、科学的な分析を冷静に考慮した現実的な方策が求められそうだ。

「われわれの現在地と、どこに向かっているかについてのバランスのとれた分析だ」。第1作業部会の共同議長、バレリー・マッソン・デルモッテ氏は報告書を発表するオンライン記者会見でこう強調した。

今回の報告書は来年9月までに順次公表される6次評価報告書の第1弾だ。冒頭では世界平均気温の産業革命前と比べた上昇幅が約1・09度に達したとし、人類の影響が温暖化を引き起こしたことは「疑いがない」と断言。社会の変革や経済の成長を5つのシナリオに分けた将来予測では最悪のケースで、気温上昇幅が2081~2100年の間に4・4度に達する可能性があるとした。

ただ、報告書の衝撃度はさほどでもないという印象もある。人類が気候変動をもたらしたとの分析は13年から14年にかけて発表された第5次評価報告書でも「可能性が極めて高い」とされていた内容だ。

また、シナリオ分析のうち気温上昇幅が4・4度に達するケースについては、すでに温暖化対策が進み出していることを踏まえ、「可能性が低いと考えられる」と言及。逆に2050年ごろに排出量実質ゼロが実現する最善のケースでは、気温上昇幅が1・6度で頭打ちとなり、81~2100年には1・4度にまで下がるとしている。