【主張】緊急宣言延長 対策徹底し制限の緩和を - 産経ニュース

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緊急宣言延長 対策徹底し制限の緩和を

政府は、東京や大阪などで発令中の新型コロナウイルス緊急事態宣言を19都道府県で延長することを決めた。期限は30日までとした。蔓延(まんえん)防止等重点措置は、6県で解除し計8県で継続する。

全国的な感染の拡大を見れば、宣言と措置の延長はやむを得ない。

確かに変異株の猛威など新たな事態が起きている。そうではあっても、政府には多くの国民が納得するような対策を講じてもらいたい。

重点措置の地域では、酒類を提供しないよう飲食店に要請を続ける。ただ、感染が下降傾向にあれば、知事の判断で最長午後8時までの酒類提供を可能とする。

宣言解除の基準も改めた。重症や中等症の患者が継続して減少傾向にあることを前提に、重症病床の使用率の上限に関する指標や自宅療養と入院調整中などの人の合計数を指標に追加した。

注目したいのは、行動制限を一部緩和する方針の決定だ。ワクチン接種証明や検査の陰性証明を条件に、都道府県をまたぐ旅行や大規模イベントを容認する。

菅義偉首相は9日の対策本部で、10月から11月の早い時期に希望者全員へのワクチン接種が完了するとの見通しを示し、「接種証明や検査の陰性証明を活用し制限を緩和していく。安心とにぎわいのある日常へ道筋をつけたい」などと語った。

飲食店経営者らにとっては歓迎すべきことだろう。それにしても政府の決定は遅すぎる。ウイルスとの闘いは長期戦だ。規制ばかり続けていたら、社会・経済活動が今まで以上に立ち行かなくなる。判断材料がそろえば緩和をためらうべきではない。

制限緩和は、ワクチンの普及が前提である。打つかどうかを迷っている人がいる。希望者を増やしていかねばならない。

公平性にこだわらず、ワクチンを2回接種した人は飲食店を優先的に利用できるなど、効果的な対応が求められる。接種した人には商品券を配るなど工夫をこらしている自治体もある。大いに参考にすべきだ。

病床確保は引き続き重要である。大阪府は軽症、中等症など1千床規模の臨時医療施設を準備中だ。手持ちの病床に応じて行動制限を求めるのではなく、行動制限を最小にするために病床を拡充することが欠かせない。