大阪、医療逼迫なお 「病床ピークこれから」 - 産経ニュース

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大阪、医療逼迫なお 「病床ピークこれから」

新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言の延長が9日決まった大阪では今月に入り、一時3千人を超えた1日当たりの新規感染者数が減少に転じている。一方、重症者は増加傾向をたどっており、政府が宣言解除の基準として重視する医療への負荷は解消されていないのが現状だ。

「感染は減少傾向がみられるが、医療提供体制は逼迫(ひっぱく)している。感染の減少を確実にすることが非常に重要だ」。大阪府の吉村洋文知事は9日の対策本部会議でこう強調した。

6月21日以降の感染「第5波」で、府内の1日当たりの新規感染者数は今月1日に3004人となり、初めて3千人を超えた。

直近7日間の10万人当たりの新規感染者数は同日の199・96人をピークに減り、9日は142・35人。ただ3~6月の第4波のピークだった90・06人(5月2日)と比べると多く、医療提供体制にも影響を及ぼしている。

政府の対策分科会が指標とする全ての確保病床の使用率は8月8日にステージ4(爆発的感染拡大)の基準の50%を超過。一時80%を突破し、その後低下してはいるものの、今月9日時点で66・5%と高い。府が独自に算出している重症病床使用率も47・3%で、ステージ4の50%に迫る。

分科会が新たに定めた宣言解除の基準をみても、まだ楽観はできない。

府によると、療養者に占める入院患者の割合を示す「入院率」は8月下旬以降、10%前後で推移し、今月9日は10・4%で、ステージ4の25%以下だ。

解除基準は、自宅療養者と入院・療養調整中の患者の合計が人口10万人当たりで60人程度に向かって確実に減少していることとする。これに対し、8日の府内の自宅療養者数は1万5565人、調整中の患者は1859人。合計人数を人口10万人当たりに換算すると197・47人に上り、基準達成にはほど遠い。

朝野(ともの)和典・大阪健康安全基盤研究所理事長は、対策本部会議に提出した意見書で「重症病床のピークはこれからと考えられ、宣言延長は妥当だ」と指摘。ワクチンの2回接種後も重症化や死亡の事例がみられるとして、重症化リスクが高い患者の早期治療を求めた。

ただ宣言の長期化による「自粛疲れ」もあり、府幹部は「人と人の接触機会を減らすのはもう限界だ」と漏らした。