【健康カフェ】(208)スクリーンタイムはほどほどに - 産経ニュース

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(208)スクリーンタイムはほどほどに

新学期が始まり、憂鬱に過ごしている子供たちもたくさんいることでしょう。おそらくその理由の多くは、子供同士や先生との人間関係に根差したものなのでしょう。学校は必ずしも皆にとって居心地の良い場所とは限りません。10代の若者に対する調査では、2~3人に1人が学校を自分の居場所だと感じられないと答えています。そんな子供たちでも、多くは自宅に居心地の良さを見いだしているという結果には安心します。特に年齢が低い子供ほど、そう感じる割合は高いそうです。

同時に少なからぬ子供たちが、インターネットの世界の居心地の良さを感じていると答えています。近年の調査によると、1日当たりのインターネットの利用時間は小学生で2時間、中学生で3時間、高校生で4時間にも上り、友人とのやり取りや動画視聴、ゲームに多くの時間を費やしているようです。こういった画面を見て過ごす時間(スクリーンタイム)は年々増える一方で、スポーツで体を動かす時間は減っています。特にコロナ禍で、その傾向に拍車がかかっているのではないかと考えられます。

スクリーンタイムが延び、体を動かす時間が減ることは、体力や視力の低下だけではなく、心の健康にも関わってくることが指摘されています。欧米の42カ国で、スクリーンタイムの影響について調べた研究結果が医学誌に報告されています。約60万人の子供を対象に、11歳、13歳、15歳の時点で生活の満足度、心身的な不満とスクリーンタイム、身体活動について調査し関連を調べたものです。

結果は、男子に比べ女子の方が生活の満足度は低く心身の不満は多くなっていました。スクリーンタイムが1日1時間までは関係が見られませんが、1時間を超えて長くなるほど生活の満足度は下がり、心身の不満は多くなっています。逆に身体活動度が増えるほど生活の満足度は上がり心身の不満は減っていました。スクリーンタイムが1日8時間以上で全く運動しない子供は最も生活の満足度が低く、心身の不満も多くなっていました。

インターネットの世界が居心地よく感じたとしても、心を豊かにしてくれるというものではなさそうです。むしろ画面から離れてしっかりと体を動かす方が精神的にも満たされるということをこの結果は教えてくれています。

(しもじま内科クリニック院長 下島和弥)