日航、劣後ローンで3千億円調達へ 旅客需要低迷長引き - 産経ニュース

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日航、劣後ローンで3千億円調達へ 旅客需要低迷長引き

羽田空港に駐機する日航機=2020年10月
羽田空港に駐機する日航機=2020年10月

日本航空が資本増強策として3千億円規模の資金調達を実施する方針を固めたことが9日、分かった。融資の一部を自己資本とみなせる劣後ローンなどで調達する。新型コロナウイルス禍による旅客需要の低迷がなおも続くとみて財務基盤の強化に乗り出す。当面の運転資金に加え、脱炭素といった環境対策に必要な資金などを予防的に確保する狙いだ。実施は9月中で近く発表する見通し。

日航は昨年に公募増資で約1800億円を調達したばかり。6月末時点の自己資本比率は42・4%を維持しており、「世界の航空会社でも突出した健全な財務体質」(日航幹部)としていた。しかし感染力が強いデルタ株の流行などを踏まえ、旅客需要回復までには時間を要すると判断したもようだ。

航空業界をめぐる経営環境は依然として厳しく、政府は感染防止の水際対策として、国際線で日航と全日の1週間当たりの搭乗者数(入国者数)を各6100人ずつに制限。国内線も度重なる緊急事態宣言の発令や延長で、大きな改善には至っていない。日航の7月の座席利用率は国際線が23・4%、国内線は48・6%にとどまった。

航空業界では、全日空を傘下に持つANAホールディングスも昨年度に計約1兆2千億円の資金を調達し、うち約3千億円を公募増資とした。さらに今後の資金調達能力を強化するとして、定款の変更により発行可能株式総数を従来の倍となる10億2千万株に増やした。

また、中堅航空会社でも資金調達を行うケースが相次いでおり、スカイマークが今月下旬に計40億円の資本増強を実施する。エア・ドゥとソラシドエアは来年10月の共同持ち株会社設立に先立ち、それぞれ70億円と25億円を増強する。