「ペシャワール会」がアフガンでの支援事業を再開 - 産経ニュース

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「ペシャワール会」がアフガンでの支援事業を再開

アフガニスタンでの支援事業再開について説明するペシャワール会の村上優会長(左)ら=9日、福岡市中央区
アフガニスタンでの支援事業再開について説明するペシャワール会の村上優会長(左)ら=9日、福岡市中央区

アフガニスタンで活動中に銃撃され亡くなった中村哲医師が現地代表を務めていた福岡市の非政府組織(NGO)「ペシャワール会」は9日、同市内で記者会見し、アフガニスタンでイスラム原理主義勢力タリバンが実権を掌握したことを受けて一時休止していた現地の支援事業を8月下旬以降、再開したことを明らかにした。

タリバンは8月15日に首都カブールを制圧し、2001年の米中枢同時テロ後の米軍攻撃を受けて成立した民主政権は崩壊した。政治や治安の混乱を受けて同会は同日から、職員の安全確保のため事業を休止した。

その後、現地スタッフ全員の安全が確認され、治安上、問題ないと判断したころから、8月21日に東部ナンガルハル州に開設しているダラエヌール診療所を、今月2日に植樹などの農業事業をそれぞれ再開した。

6日には同州政府と協議し、近く用水路の建設事業も再開させたい考え。同会によると、アフガンでは2000年以来の大旱魃(かんばつ)が進行していて、タリバンによる同州政府も用水路事業の再開を望んでいるという。

ただ、事業再開には資金面も課題となる。アフガン国内の銀行は再開したものの、米国などの制裁措置の影響で引き出せる金額は1週間で1人200ドルに限られるため、現地作業員の給与支給などに大きな支障が出ている。

同会の村上優会長は「現在のアフガンは20年前にタリバン政権が倒れたときと同じような状況だ。旱魃に加え新型コロナウイルスの感染拡大もあり、多くの国民が飢餓に直面している。このまま孤立させれば惨状が待っている」と国際社会の支援を訴えた。