静岡も緊急事態宣言延長を要請「医療体制が経験ないほど逼迫」

静岡県の川勝平太知事(今村義丈撮影)
静岡県の川勝平太知事(今村義丈撮影)

静岡県の川勝平太知事は8日、政府に対し、12日までとなっている新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言の延長を要請した。期間は明記していない。直近1週間の新規感染者数が53・1人と依然として高水準で、病床使用率も国指標のステージ4(爆発的感染拡大)の目安の50%を超えているとして、菅義偉首相あての要請書で「これまで経験したことがないほど医療提供体制が逼迫した状況が続いている」と訴えた。

県は、医師ら県内の専門家の意見を聞いたうえで「宣言を解除する状況にない」と判断した。政府は9日夜に延長するかどうか正式決定することにしており、県は政府決定を受けて10日、対策会議を開き、その決定内容に基づく県の対応方針を決める構え。

川勝知事は7日の定例記者会見で、新規感染者数と病床使用率のほかPCR検査陽性率、県民10万人当たりの療養者数などが、いずれもステージ4の目安を超えていると指摘。「ステージ4の段階が解消され、ステージ3(感染急増)までいかない限り、緊急事態宣言の形を変えるわけにはいかない」と危機感を示していた。

宣言中は飲食店などに対して休業や営業時間短縮、酒類提供自粛を要請しており、それに対する協力金や応援金の予算を編成。また県民には不要不急の外出自粛と県境をまたぐ移動の回避を強く求めている。

静岡の隣接県について政府は、神奈川、東京など首都圏4都県などに関しては緊急事態宣言を延長する意向で、愛知県についても延長を検討。同県の大村秀章知事も8日の記者会見で、延長を要請したと明らかにした。


■静岡県内の感染動向や医療の状況(8日時点、速報値)

直近1週間の人口10万人当たり新規感染者 53.1人(ステージ4の目安・25人以上)

対応病床使用率 54.4%(50%以上)

重症病床使用率 34.4%(50%以上)

県民10万人あたり療養者数 90.9人(30人以上)

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