紀伊半島豪雨10年 和歌山・田辺市が補助制度 土砂特別警戒区域からの移転 - 産経ニュース

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紀伊半島豪雨10年 和歌山・田辺市が補助制度 土砂特別警戒区域からの移転

紀伊半島豪雨で土石流が押し寄せた和歌山県田辺市熊野(いや)地区=平成23年9月(田辺市提供)
紀伊半島豪雨で土石流が押し寄せた和歌山県田辺市熊野(いや)地区=平成23年9月(田辺市提供)

平成23年の紀伊半島豪雨で大きな被害を受けた和歌山県田辺市は、県内市町村で最も指定箇所が多い土砂災害特別警戒区域から住宅を移転した場合、建物の撤去や建設の費用を補助する制度を始めた。特別警戒区域は土砂災害防止法に基づいて県が指定し、田辺市は3千カ所以上。県内の他自治体に比べて圧倒的に多く、市の担当者は「自分の家の状況をまず確認してほしい」としている。

田辺市は、紀伊半島豪雨で土砂崩れや土石流などが発生し、住宅38棟が全壊、176棟が半壊し、8人が死亡、1人が行方不明になった。

土砂災害特別警戒区域は、住宅が斜面の近くにあるなどして土砂災害が起きれば大きな被害が起きる可能性がある区域で、今年4月13日時点で指定された県内の2万297カ所のうち田辺市は3272カ所。市町村別で最も多く、2番目に多い有田川町(1478カ所)の倍以上となっている。

田辺市は面積が約千平方キロと近畿の市町村最大で、平成17年の合併で市域となった山間部の旧4町村(中辺路町、本宮町、龍神村、大塔村)を含んでおり、警戒区域が多くなっている。旧市内でも造成した住宅地の一部が指定されている。

田辺市の制度は8月にスタートした。特別警戒区域内にある住宅が区域外に移転する場合(市内に限る)、建物の撤去に最大97万5千円を補助。また、新たな住宅を建設したり購入したりすれば、借入金の利息を最大421万円助成する。

特別警戒区域は県がインターネット上で運営する「わかやま土砂災害マップ」で確認できる。

市の担当者は「東日本大震災の影響で住宅の立地場所として高台が注目を集めたが、後背地が山になっていれば危険な可能性がある」と指摘している。

県によると、この事業は国の補助制度で、県内では那智勝浦町や太地町も導入している。問い合わせは市建築課(0739・26・9935)。