立民と共産が政策合意 衆院選迫り共闘強化急ぐ - 産経ニュース

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立民と共産が政策合意 衆院選迫り共闘強化急ぐ

野党4党が市民連合と政策合意し発言する立憲民主党の枝野幸男代表(奥)。手前は共産党・志位和夫委員長=8日午前、国会内(春名中撮影)
野党4党が市民連合と政策合意し発言する立憲民主党の枝野幸男代表(奥)。手前は共産党・志位和夫委員長=8日午前、国会内(春名中撮影)

立憲民主、共産、社民、れいわ新選組の4野党の党首は8日、安全保障関連法の廃止を求めるグループ「市民連合」の会合に出席し、市民連合が仲介する形で次期衆院選の事実上の共通政策を締結した。綻びが生じていた両党の共闘体制を強化し、目前に迫る次期衆院選に臨む狙いがある。

「市民連合」の政策提言書には、新型コロナウイルス禍に乗じた「憲法改悪」に反対▽消費税減税を行い、富裕層の負担を強化するなど公平な税制を実現▽森友・加計学園や「桜を見る会」をめぐる問題の真相究明-などが盛り込まれた。

市民連合の提言書に野党各党が署名する形式は、令和元年の参院選でも採用された。当時と比べ、今回は表現ぶりがソフトになった。「原発ゼロの実現を目指す」という以前の表現は「原発のない脱炭素社会を追求する」に変わった。立民の支持団体「連合」で原発ゼロに異論が根強いことへの配慮とみられる。

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設についても「直ちに中止」だったのが、「直ちに」が消え、「地元合意がなく、環境を破壊する新基地建設」との条件が付いた。

立民への配慮が目立つ一方、立民にとっても共産との政策合意は無党派層への浸透を図る上でマイナスになる。それでも合意したのは、衆院選の帰趨を決する候補者一本化のためだ。

平成29年の前回衆院選で、野党・無所属の全289選挙区での得票率は51%を占めたが、獲得議席は22%にすぎない。1人のみ当選できる選挙区に複数の野党候補が出馬し、共倒れしたからだ。今回は、約70選挙区で立民と共産の立候補予定者が重複している。立民はこのうち、10余りの選挙区で共産に候補者を取り下げてもらいたい考えだ。

ただ、共産はこれまでも立民に配慮し、すでに多くの選挙区で擁立を見送ってきた。にもかかわらず、立民の枝野幸男代表は共産との連立政権を「考えていない」と明確に否定する。

対等とはいえない関係に共産党員の不満は高まっている。共産にとって、今回の政策合意は今後も立民に協力するよりどころとして必要だったといえる。共産は政党間の直接の協定締結を求めていたが、立民は応じず、市民連合を介する形で妥協した。

提言書への署名が行われたのは午前9時前。同10時の共産党中央委員会総会に間に合わせた格好だ。志位和夫委員長は中央委員会総会でさっそく報告し「共闘の政策的な旗印が立派に立った。政党間協議を速やかに行う」と党員向けにアピールした。(田中一世)