自民党総裁選(29日投開票)に出馬意欲を示している河野太郎ワクチン担当相は8日、安定的な皇位継承策を検討する政府の有識者会議(座長・清家篤元慶応義塾長)が旧宮家の男系男子の養子縁組を選択肢の一つと位置付けた中間整理を尊重する意向を記者団に示した。河野氏は過去に女系天皇を容認する姿勢を示していた。
河野氏は中間整理について「非常に現実的ないい方向性を示しているので、その結果を尊重することに全く異論はない」と述べた。「天皇陛下は国民広くから支持されるのが大事だ」とも語った。中間整理では、旧宮家の男系男子の養子縁組と、女性皇族が婚姻後も皇室に残る案の2つを軸に検討するとしている。
河野氏は防衛相時代の昨年8月、インターネットの動画投稿サイトで「愛子さまをはじめ内親王のお子さまを素直に次の天皇として受け入れることもあるのではないか」と言及。母方にのみ天皇の血筋を引く女系天皇の容認も含めた国民的な議論が必要だとの認識を示していた。
一方、河野氏は原子力発電政策について、「安全が確認された原発を再稼働していくのは(温室効果ガス排出を実質ゼロにする)カーボンニュートラルを目指す上で、ある程度必要だ」と述べた。持論とする脱原発に関しては「いずれ原子力はなくなる。ただ、あす、来年『やめろ』というつもりではない」とした。