海上自衛隊の潜水艦「そうりゅう」が今年2月、高知県足摺岬沖で民間商船と衝突し、そうりゅうの乗組員3人がけがをした事故で、第5管区海上保安本部(神戸市)は8日、業務上過失往来危険と業務上過失傷害の疑いで、当時そうりゅうの艦長だった男性2佐(50)を書類送検した。
書類送検容疑は2月8日午前10時55分ごろ、そうりゅうで海面から浮上する際、水中音波探知機(ソナー)の確認が不十分だったため民間の貨物船を避けきれず船底に衝突、そうりゅうの乗員3人にかすり傷や打撲、やけどなどの軽傷を負わせたとしている。
同本部によると、元艦長は「確認不足だった」という趣旨の供述をしており、容疑を認めているという。
貨物船の船底には衝突時にできた複数のすった跡や亀裂があり、海水の漏れも確認された。そうりゅうは事故直前まで定期検査を受け、長期間洋上に出ていなかった。同本部は貨物船の把握が遅れた一因に訓練不足があったとみている。