【北川信行の蹴球ノート】中止のブラジル-アルゼンチンで露呈したコロナ対策「格差」(1/2ページ) - 産経ニュース

メインコンテンツ

北川信行の蹴球ノート

中止のブラジル-アルゼンチンで露呈したコロナ対策「格差」

ブラジルの保健当局から説明を受けるアルゼンチン代表のメッシとブラジル代表のネイマール。南米予選の大一番は突然の中止となった(AP)
ブラジルの保健当局から説明を受けるアルゼンチン代表のメッシとブラジル代表のネイマール。南米予選の大一番は突然の中止となった(AP)

サッカーの2022年ワールドカップ(W杯)カタール大会の出場権を懸けた予選が、各大陸連盟で再開した。新型コロナウイルス感染の影響で日程や会場が大幅に変更となる中、南米予選の大一番、ブラジル-アルゼンチンが試合途中で中止となるなど、各国・地域のコロナ対策の「格差」による問題が生じている。

試合開始後に突然の中止

5日にブラジルのサンパウロで開かれたブラジル-アルゼンチンは、試合開始からわずか6分後に、突然の中止に追い込まれた。

ロイター通信などによると、イングランド・プレミアリーグ(英国)のアストンビラとトットナムに所属するアルゼンチン代表チームの4選手が、ブラジルが定めている新型コロナ対策の入国制限に違反したのが原因。このため、ブラジル保健当局の職員らが4選手を拘束するために試合中のピッチ内に入ってプレーを停止させたという。

現場は大混乱となり、アルゼンチン代表主将のリオネル・メッシやブラジル代表のネイマールら両チームの選手や関係者が抗議したが、中断となった試合は続行不可能となり、そのまま打ち切られた。アルゼンチン協会は「予選を正常に進めるため、南米サッカー連盟(CONMEBOL)が定めた規則を順守していた」と遺憾の意を示す声明を発表。メッシも「われれはここ(ブラジル)に3日間も滞在していた。なぜ、そのときに言わないのか」と、試合開始後の突然の通告に憤慨していたという。

中止を受け、CONMEBOLは「主審とマッチオフィシャルが国際サッカー連盟(FIFA)の規律委員会に報告書を提出する。それを受けて(W杯自体の主催者であるFIFAが)どのような措置を取るかを決定する」と説明した。

認識の違いまざまざ

今回、ブラジルの保健当局が試合に介入する根拠としたのが「過去2週間以内に英国、南アフリカ、インドに渡航した人は、ブラジル国民またはブラジルの永住権を持っていない限り、原則として入国禁止」との規則だった。入国が許可された場合も、14日間の自主隔離が義務付けられていたとされる。アルゼンチン代表の4選手は8月28、29日に英国内で行われたアストンビラとトットナムの試合で、それぞれベンチ入り。うちアストンビラの2選手は実際にプレーしていた。このため、規則違反は明らかだった。保健当局はまずアルゼンチン代表が滞在していたホテルに赴いたが、チームはすでに出発しており、やむなく試合会場で4選手を拘束することになったという。