【主張】北方領土に特区 国際社会と連携し圧力を - 産経ニュース

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北方領土に特区 国際社会と連携し圧力を

ロシアのプーチン大統領がウラジオストクの東方経済フォーラムで演説し、北方領土に国内外の企業を誘致するため特区を設けると発表した。

北方領土の不法占拠を固定化しようとの動きであり、断じて容認できない。こうした計画が現実的な力を持たぬよう、日本は特区に関与する企業への制裁発動など、強力な措置を講じなくてはならない。

演説によると、特区は北方四島の全域を対象とし、進出企業の付加価値税や法人税などを10年間減免する。北方四島での露企業や外国企業の活動を容易にし、地元の発展につなげる狙いがある。

日露は平成28年末、北方領土での共同経済活動について協議を始めることで合意したが、ロシアが「自国の法制度」に基づく共同活動を主張し、実質的進展はない。業を煮やしたプーチン政権が、日本が協力しないのなら中国や韓国などの資本を呼び込むと、揺さぶりをかけてきた形だ。

これに動じてはロシアの思うつぼだ。肝要なのは、ロシアの不法占拠を助長する動きには断固たる行動をとることである。北方四島に資本を投下する企業の関係者には、日本への入国や日本企業との取引を禁じる法的整備などを講じておくべきだ。

安倍晋三前政権は共同経済活動の協議を呼び水に、色丹島と歯舞群島の「2島返還」に絞って北方領土交渉を進めようとした。これがプーチン政権を増長させるだけに終わったのは明白である。

日本はこの失敗に立ち、プーチン政権におもねるような対露外交に終止符を打たねばならない。北方四島の不法占拠は国家犯罪であることを強く世界に訴え、国際社会と連携してロシアに圧力をかけることが不可欠である。

北方領土と同様、クリミア半島をロシアに不法占拠されているウクライナの動きも参考になる。

ウクライナのゼレンスキー政権は8月、クリミア奪還をめざす国際会議「クリミア・プラットフォーム」を立ち上げ、初会合に欧州諸国の首脳ら40カ国以上の代表が参加した。バイデン米大統領は今月1日、ゼレンスキー大統領との会談で「ロシアの侵略に直面するウクライナの主権、領土保全にしっかり関与する」と表明した。

欧米諸国の対露姿勢が厳しくなっていることを、日本は追い風にすべきである。